語源ネタ引っ張ります.原典は
これです.
(
画像の引用元)
英語の“apple”は古い英語(大体西暦450年〜1100年)においては「すべての果実」を指していました.調べるまで知りませんでしたわ.1700年頃においては「berry(果皮が柔らかく汁気の多い果実)以外の,nutsを含んだ全ての果実」が“apple”の意味だったとされています.
例としては1100年〜1500年頃の英語“appel of paradis(綴り間違いではありません:天国の果実)”はバナナ(bananaは西アフリカ(おそらくセネガル辺り)の言葉),“fingeræppla”はそれより古い言葉でデーツ(ナツメヤシ)のことだったとのことです.
(ナツメヤシ:画像の
引用元)
うーむ.だからパイナップルはpineapple,つまり「松かさ(状)の果実」なわけですな.どうも昔からpineappleって変な命名だなと思っていました.まるでリンゴじゃないですもんね.
となれば(旧約)聖書に登場する「禁断の果実」はappleですが,実はリンゴとは限らないことになるわけです.現にwikipediaの“forbidden fruit”,禁断の果実の項では
Potential forbidden fruits of the Garden of Eden include the apple, pomegranate, the fig, the carob, the etrog or citron, the pear, and, more recently, the datura.
となっていて,曰く,リンゴ,ザクロ,イチジク,イナゴマメ(なにそれ),シトロン,ナシ,チョウセンアサガオ(幻覚作用がある)が「禁断の果実として可能性がある」となっています.
メロン行きます.
大雑把に言うと“melon”は「甘い,瓜的な果物」を指す言葉のようで,その元をギリシア語からの由来で説明するとmelopepon,これはmelo+peponだそうで,meloが「果実(apple)」,peponが「ある種の瓜」で,peponはまた「日光を浴びて熟れた」という意味とも繋がるようです(よくわかりませんや).さらにややこしいことに,peponがpumpukinに変化していくようなのです.メロン見てたらカボチャも出てきた.
カボチャはウリ科の植物で,アメリカではよく熟れた黄色いものだけを“pumpkin”と言います.ハロウィンのカボチャは確かに黄色い.凶悪な顔です.
(画像の
引用元)
しかし黄色くないものは“squash”で,日本の緑でおなじみのカボチャはこれは“kabocha squash”だそうです.
なんか知らんですが辻褄がすべて合っているように見えます.
語源を調べるとすぐいろいろ繋がって迷宮入りします.
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以前読んだ日本語の語源辞典だったかには,「木になるもの」,つまり「木のもの」の「木(き)」を「木(く)」とも読むことから「くのもの」と言うようになり,またこれとは別に「〜のもの」を「〜だもの」と言うように変化して,木になる実を「くだもの」と言うようになったと書いてありました.
同じ例で,「毛の生えた動物」を「毛(け)のもの」と言い,これも転じて「毛だもの」と言うようになったらしいのです.これに字を当て「獣(けだもの・けもの)」という訳です.
以前から,ヤクルトが『きになる野菜』という野菜ジュースを出していますが,これは「木になるのは本来は果物」ということから逆説的な,そして健康のために「気になる」野菜,というのを混ぜたネーミングにしてあるのだと解釈できます(違ってたりして).
というように,語源から言えば,野菜は木にはならないものを指します.しかし定義はいろいろあって,スイカやメロンを果物とする場合も,野菜とする場合もあるようです.
よく引用する5訂食品成分表では,スイカ,イチゴ,メロンなどは果実類になっていますが,【JA全農による見解】という文面によると
一般に、野菜はいろいろな部分を食べるのに対して、果物は実だけを食べるのが特徴です。(ウン納得)例えばキュウリやエンドウは実、ダイコンやゴボウは根、キャベツやレタスは葉というように、野菜の食べる部分はさまざまですが、果物は必ず実です。
また、野菜は一年生か二年生の草で、収穫が終わると畑を片付けて次のものを作りますが、果物は多年生の木になる実ですが、同じ木で何年も、時には何十年も収穫を続けられるのも大きな違いです。(これも納得)
したがって、これに基づくと、スイカやメロン、イチゴは野菜に分類されますね。
となっています.引用元は
ここ.
今回も疲れました.禁断の果実かもしれないナシ食べます.あ あれは西洋ナシ(pear)でしたか.