渡月橋の辺りから,山へ向かって登っていくと化野(あだしの)念仏寺に行けます.
1200年ほど前に空海が,この地に野ざらしになっていた遺骸や遺骨を無縁仏など
として埋葬し始めたとされるところで,後で法然(浄土宗の開祖)がここで念仏道場を
開いたところから念仏寺というそうです.京都のすこし外れの土地で,大昔は
亡くなった人をここで風葬にしたのかもしれません.折りしも風がビョウビョウと
吹いていました.
古い,小さくなってしまった墓石がたくさんあり,中央辺りに石塔があります.
(他の観光の方が写ってしまいました)
石塔の前に三段ほど高く,石仏が座っています.この仏様の説法あるいは念仏を,
身寄りなく亡くなった方が集まって聴いている,という図になっています.
拡大↓
さて,境内から竹林に道が付いていて,
さらに上っていくと,現在の墓地に出ます.そこの脇に六面六体地蔵さまというのが
あり,訪れた人がお題目を唱えながら周りを回っていました.
「オン・カカカ・ビサンマエイ・ソワカ」を調べると,まず梵字がわかりまして,
となるそうです(出典:
富士講アーカイブ).
訳については,
『お地蔵様のお話』の説明を引用しますが,以下のようになるとのこと
(改行はこちらでしました).
(引用開始)
「オン」は「帰命・供養」などの意味があり、神聖な語として、インドでは
宗教的なことばの初めにおかれています。帰命とは、命の帰着点とすることですから、
さきほどの「南無」と同じような意味になります。「カカ」というのは、「呵々大笑」の
「呵呵」で笑い声をあらわしています。
日本で昔から呼び親しまれている「カカさま」という母への呼び名もここからきているそうで、
「カカ」とは、つまり微笑みをたやさないお地蔵さまのことです。仏さまにそれぞれ種子
あるいは種字といって、その仏さまを表わす文字がきめられています。「カ」はお地蔵さまの
種子であります。
したがって「カカカ」というのは、「お地蔵さん、お地蔵さん、お地蔵さん」と一生懸命
お地蔵さまを呼ぶのです。「カビサンマエイ」とば「希有」の意味だといわれますから
「類いまれな尊いおかた」というようなお地蔵さまへの讃歎の気持を表わしたものと受取れば
よいでしょう。
「ソワカ」は、神聖なことばの最後につけてその言葉の完成成就を願う気持をあらわします。
(引用終了.出典:
お地蔵様のお話)
上記の引用元では「カビサンマエイ」となっていますが,「ビサンマエイ」の単純な間違い
だと思います.
「稀有なる尊きお地蔵様」
地蔵菩薩の真言(しんごん)なんだそうです.いろいろ勉強になります.
ついでに,不動明王などの十三仏真言は
こちらに.